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8月26日アントニオ・ピパ「プエルタ・アデントロ」

ミハス・コスタにあるラグーナ劇場での新作初演。
アントニオ・エル・ピパはヘレスのフラメンコ・ファミリーの出身。
自らのカンパニーで次々と作品を発表している中堅バイラオール。

死、生、愛と三部からなるこの作品、
モンセ・コルテスが歌うペテネーラではじまる(熱唱)
愛する母を失った哀しみは、黒。
黒の衣装に黒のバック。暗めの照明。。。
フラメンコではわりとよくあるのだが、これではなにも伝わらない。
哀しみ、苦しみなどを黒で表現するのは理解しよう。
だが観客は舞台を、舞踊をみにきているのだ。
踊りが、踊り手の動きも、踊り手の表情もろくにみえないというのはそれだけで失格だろう。

二部はこどもの誕生、やはりモンセのうたう子守唄ナナではじまる。
こどもはすぐに大きくなり、
名盤「カンタ・ヘレス(ヘレスに生きるフラメンコの伝統)」の最後をかざるブレリア、フィエスタ・デ・サンティアゴをつかってブレリアのひとふりをアントニオが息子に教える。。。
愛、と題された三部はブレリア、ソレアとヘレス三昧。

モンセのほか、エンリケ・エル・エストレメーニョ、ボケロン、モレニートという
歌い手たちも、ホセ・ルイス・モントンのギターもいい。
ゲスト格のマリア・デル・マルも短い出番ながら、彼女らしくみせた。
作品としてはわかりやすい、かもしれないが、いかにもな、安っぽさが鼻につく。
群舞の振付けも鏡の前に一列にならんだクラスレッスンのようだし
肝心のアントニオの舞踊も、みるべきところがない。
が、観客は盛んな拍手をあびせていた。

しかしなぜプエルタ(扉?)
イサベル・バジョンのプエルタ・アビエルタ
ロシオ・モリーナの舞台にも回転扉がでてきたし、流行?

8月26日アントニオ・ピパ「プエルタ・アデントロ」_a0108073_19302958.jpg

(写真はオフィシャル)
"Puertas Adentro" Antonio El Pipa
cante; Juana La del Pipa, Montse Cortés, Enrique El Extremeño, Morenito de Illora, Diego Camacho Boquerón
baile; María del Mar Moreno, Macarena Ramírez, Chirstian de los Reyes, ほか
guitarra; José Luis Montón, Pascual de Lorca

Málaga en Flamenco 07 Siete Producciones Nuevas
26 de agosto, 20:00 Teatro Las Lagunas, Mijas

by kiokos | 2007-08-28 00:15 | 公演評  

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