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8月27日「僕は僕の年をしらない」

マラガのタブラオで長年踊っているベテラン・バイラオール、カレーテの人生を
カレーテ自身の主演で描いた作品。
脚本はマラガ・エン・フラメンコ監督のホセ・ルイス・オルティス・ヌエボ。
演出はハビエル・バロン「ディメ」、イサベル・バジョン「ムヘール・イ・ペレーレ」のペパ・ガンボアの黄金コンビ。
この二人が、カレーテを、シンプルに、いきいきと えがきだした。

こどものころにここで待っててといった母が帰ってきたのは2年後
教護院やいろんな人の家を転々として育ち、道で踊って小銭を稼ぐ。
いつも裸足。グラナダで暮らしたときは小麦の上で踊り脱穀したという。
そんな彼の楽しみは映画。
フレッド・アステアの踊りと、映画にでてくるごちそうに魅了された。
アステアになりたい! 踊りたい!
その気持ちだけでやってきた。

彼の人生を彩るエピソードを、まるで、今そこでインタビューをしているかのように
とりいれて舞台はすすんでいく。
王家の結婚式のアトラクションによばれた話。
カルメン・アマジャとの邂逅。
17歳と70歳の恋愛。
笑いと涙。

見終わって帰る人は誰もが笑顔。
途中で泣いた人も、みな、笑顔で劇場をあとにする。
観る人すべてを幸せにする。こんな作品めったにない。

彼のバイレは独特。
フラメンコ舞踊のセオリーからいうと邪道?かもしれない
でも耳があるからリズム感あって、見事にフラメンコなのだ。

歌い手のフアン・ホセ・アマドールも最高。役者としても素晴らしい。
この人なしには成り立たないね、この作品。
そして彼のエピソードを語り続けるホセ・ルイス・オルティス・ヌエボも特筆もの。
彼の語りが胸にしみていく。

「ぼくはラッキーだった。だってみんな僕のことを愛してくれた」
フラメンコ作品としてだけでなく、
演劇としてみても質が高い。
スペイン語の能力あればより楽しめるけど、わからなくても楽しめるにちがいない。

8月27日「僕は僕の年をしらない」_a0108073_19434655.jpg

(写真はオフィシャル)

"Yo No Sé La Edad Que Tengo" siete escenas de una azarosa vida
Baile; Carrete, Carmen Ríos, Cristóbal García
Actor; José Luis Ortiz Nuevo (Guión)
Cante; Juan José Amador, José Valencia, Laura Román
Toque; Juan Requena, Joaquín Losada" Carretillo"
Piano; Diego Suarez
Dirección Escenica; Pepa Gamboa

Málaga en Flamenco 07
27 de agosto, Teatro Canovas, Málaga

by kiokos | 2007-08-29 01:33 | 公演評  

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