9月9日「ポル・ロス・シエテ・ドローレス」

アルチドーナという、アンテケーラからグラナダ方面にむかった、歴史のある山間の町での公演は、聖週間の音楽集。町の中心にある、珍しい八角形の美しい広場が会場。

聖週間というとフラメンコではサエタ!であるわけだが、そればかりではない。楽隊による音楽、太鼓隊、ムシカ・デ・カピージャとよばれるオーボエ、クラリネット、ファゴットによる音楽…。
同様にセビージャの聖週間だけが聖週間ではない。アンダルシアの各地で、それぞれ特徴的な聖週間が祝われている。
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アルチドーナの鐘ならし隊、カンパニジェーロスが露払いしたあとは、マラガの楽団の演奏で幕をあけ、地元アルチドーナのこどもによる歌が続く。ありきたりな表現で恐縮だが、まさに天使のような、である。
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楽団の演奏で、十字架をのせた御輿が登場する。マラガ様式というか、前後にのびた棒を白いワイシャツに黒ズボンの男たちが肩で担ぐ方式である。
バルコニーからサエタがはじまる。

サエタといってもフラメンコのサエタばかりではない。フラメンコ的なサエタというのは、フラメンコが生まれた18世紀末〜19世紀以降のものなわけだが、聖週間の行列はそれよりもずっと前からあるわけで、もっと古いものと思われるひとつが、ここで歌われたマルチェーナのキンタやクアルタである。
その節回しは日本のお経のそれに酷似している。すなわち単調な中に音階の上下があるというもの。
ムシカ・デ・カピージャをはさみながら、クアルタに続き、古いサエタ、そしてフラメンコ的な節回しのサエタへと、歴史をたどるように歌い継がれていく。
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十字架の御輿が正面の舞台横に安置されると、楽隊の音楽にのって、セビージャのスタイルで、聖杯をのせた御輿が登場する。セビージャのスタイル、すなわち、輿の下に左右にのびた棒を首の後ろで支える方式だ。聖週間だと御輿の下は布で覆われていてみることはできないが、今回は布はなく、コスタレーロとよばれる担ぎ手たちの動きがよくみえる。
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広場に入ってきたとき、胸があつくなり、涙がこぼれた。セビージャ的なセンティードにあふれているせいだろう。セビージャの聖週間でマドゥルガー(木曜深夜)にでる、ヒターノスの担ぎ手たちの動きはなんともいえずに粋なのだ。

御輿が安置されると、グラナダ県ロハスの太鼓隊が登場し、にぎやかに演奏。
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続いて同じロハスのインセンサリオスとよばれる、香炉つかいたちが登場する。
香炉は聖週間につきものだが、彼らは歌い踊るのだ。それも全員が一人ずつソロをとり歌い継いでいくというかたち。私もはじめてみた。ここではシャツにズボンだが、聖週間では衣装をまとうという。
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そして最後はフラメンコのサエタ。グロリア・デ・マラガとアントニオ・デ・カニージャというベテラン二人が歌い継ぐ。巧い。年期を感じさせる美しいサエタだ。
最後は聖週間の音楽の中でも有名な名曲、アマルグーラで御輿がさっていく。
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約2時間半にわたる、アンダルシア的感覚にみちた素晴らしい公演だった。
フラメンコを理解していくには、こういった聖週間の音楽もかかせない。

"Por Los Siete Dolores"Ritual de saetas y otras músicas de la semana santa de Andalucía

Málaga en Flamenco 07
8 de septiembre, 20:30 Plaza Ochavada, Archidona
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by kiokos | 2007-09-09 10:47 | 公演評  

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