9月13日マノロ・サンルーカル「エル・アルマ・コンパルティーダ」

サラ・ファジャで予定されていたギター公演はカノバス劇場に会場変更。これもそのひとつ。マラガ市は海に面し港とビーチをもち、山へと伸びる町。その山の方へ行ったところにある小さな劇場カノバスはアンダルシア州のもちもので、アンダルシア州のフラメンコ公演シリーズ、フラメンコ・ビエネ・デル・スールの会場でもある。
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マノロ・サンルーカルのリサイタルはいつも言葉にあふれている。ギターを弾くだけでなく、講演会もかくやというほど、自身のフラメンコ論を語るのだ。
92年頃にマラガのオーケストラとの録音で発表したアルヒベのモチーフから、不朽の名作「タウロマヒア」の「マエストランサ」へとつながるオープニング。「オラシオン」、「テルシオ・デ・バラス」と、「タウロマヒア」からの曲が続く。いつきいてもあきることない、名作中の名作だ。
ロルカの戯曲の主人公に捧げた、ロマンチックな「カルタ・ア・ドニャ・ロシータ」からはロルカをモチーフとしたアルバム「ロクーラ・デ・ブリサ・イ・トリノ」からの曲が続く。CDではカルメン・リナーレスが歌っていたが、ここではカルメン・グリロ。リナーレスに似せようとすることなしに、メロディを尊重してうたっているのには好感がもてる。
最後は、画家をモチーフとした、現在製作中の新譜に収録予定の「ラ・ピエダ」「ラ・ダンサ・デ・ロス・パボス」で終幕。全員のスタンディングオーベーションを受けてアンコール。

と曲だけをおっていけば上記のようになるのだが、その合間の語りも印象に残る。
「音楽は音楽家の苦しみで生まれる」
「若い人は美しさを探す。美しい音楽がすべてよい音楽とは限らない」
「私のコンサートはテレビの延長ではなく、ともだちとの集まりだと思っている」
「音楽にはお尻のための音楽と、魂のための音楽があり、残念なことにお尻の音楽の方が多くの人に受け入れられる」…
「私はフラメンコを心から愛し、人生を捧げてきた」というギタリストの哲学にうらうちされたフラメンコ音楽を堪能した一夜。

"El Alma Compartida"
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by kiokos | 2007-09-14 16:53 | 公演評  

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