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9月15日「ポンラ、アイー・ポル・マラゲーニャス」

この日はマラガ・エン・フラメンコの中で最もハードな一日。
というのもロンダで13時、18時、23時と3つのコンサートがあるのである。
公演みてごはん、公演みてごはん、とうまい具合にプログラムされているわけだが、それでもやっぱ疲れるに違いない、と気合いをいれて10時半バスにゆられてロンダの町へ。
山間の古都、ロンダまではバスで1時間45分くらい。野原の中をゆられていく。気分は遠足。

ロンダは、タホ河の断崖絶壁にかかるプエンテ・ヌエボをはじめ、スペイン最古といわれる闘牛場など、観光名所なので、スペイン旅行で訪れた人も多いかもしれない。
フラメンコ・ファンにとってはカーニャの歌詞「ビバ・ロンダ、レイナ・デル・シエロ」や歌やギターソロでの曲、ロンデーニャでなじみぶかいことだろう。

最初の公演はその闘牛場に隣接する公園の中にある市立劇場が会場。
マラガのフラメンコを語る上でかかせない、マラゲーニャを考察する公演だ。
最初は、マラガ・エン・フラメンコではもうおなじみ、パンダ・デ・ベルディアーレス、すなわち、マラガの山間部に伝わるベルディアーレスのグループが登場。その起源を示す。
19世紀末から20世紀にかけてかつて一世を風靡したマラゲーニャ。フラメンコのアルティスタだけでなく、クラシック歌手もうたい、クラシックの作曲家も多くインスパイアされた。それを具体的に示すようにアルベニス「ルモレス・デ・ラ・カレタ」やサラサーテの「マラゲーニャ」、レクオーナの「マラゲーニャ」などの演奏と、マラガの歌い手たちが歌い継ぐ、アバンドラーとよばれるファンダンゴ類(民族音楽のベルディアーレスとマラゲーニャの間に位置する)、カナリオ、メジーソ、トリニ、ルビアなど創唱者の名がつけられたフラメンコのマラゲーニャの数々を、ホセ・オルティス・ヌエボ監督自らの語りをはさんでみせていくという構成。そつなくまとまっており、フラメンコの歴史を、実際の演奏でみせていくという試みはみごと成功。
マラゲーニャだけ? それってちょっときついんじゃない、なんていう観る前に思ってたのがうそのように、楽しみながら、歴史も勉強できた、という感じ?
あえて、欠点を探すなら踊り手。長身の美女だが、身体を動かす基本が全くできておらず観ているのがつらいほど。

なお公演が終わって外へでると出口のところでベルディアーレスを歌い踊っていた。
これもナイスな演出。ベルディアーレスにはスペインの代表的な民族音楽であるホタの影響とともに、アラブ圏のスーフィー音楽にもにたトランス的要素があって、耳に残るメロディ。うーん、おどりたくなってきたぞ。。。
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クーロ・ルセーナ(伴奏フアン・レケーナ)
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ボネラ・イーホ(伴奏ぺぺ・フェルナンデス)
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フィナーレは再びベルディアーレスで
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屋外でのベルディアーレス

Ponla, ahí por malagueñas
Cante;Curro Lucena, Rocío Alcalá,Bonela Hijo,Paqui Corpas
guitarra; Juan Requena, Curro de María, Pepe Fernández, Andrés Cansino
piano; Tony Romero, Enrique Bazaga
violín; Santiago de la Riva
baile; Susana Gil

Málaga en Flamenco 07 Son de Málaga
15 de septiembre 13:00 Teatro Vicente Espinel, Ronda

by kiokos | 2007-09-16 20:07 | 公演評  

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