カテゴリ:公演評( 47 )

 

9月30日「メモリアレス」

マラガ・エン・フラメンコ最終日はセルバンテス劇場で、1928年から49年までに生まれた、マラガのアルティスタによる公演。
主なアルティスタだけで30人以上、プラス、ベルディアーレスのグループや、舞踊の伴奏者など、総勢50人以上という大所帯。はい。8時からはじまって休憩をはさんで、とはいうものの終わったのは11時という長さでありました。

客席から登場したベルディアーレスにはじまり、フラメンコ研究家ゴンサロ・ロホの朗読(マラガにかつてあったタブラオの名前を言ったのはいいのですけど、あとはプログラムの朗読ってどーなんでしょーね)のあとは、ベテランの歌い手やギタリストたちが次々に登場し、トナ、ロンデーニャ、ミネーラ、タランタ、マラゲーニャ、シギリージャ、ソレア、プレゴンなどをうたいついでいく。
そして一部の最後を飾ったのが、かつて新宿エル・フラメンコに出演していたこともあるペピート・バルガスと
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カニェータ・デ・マラガ。
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さすが、知名度のある人がちがう。といってはなんだが、いやー、この二人はほかのアルティスタたちとはまったく格がちがう。とくにカニェータ。この人、かなり年だと思うのだが、舞台狭しと歌って踊って元気いっぱい。
シンプルな、昔ながらのパソも彼女がすると、なんともいえない味がある。楽しく歌い踊るブレリアなのに、風格が漂う。
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最後は二人で踊って、一部は幕。
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二部はマラガの誇る、ベテラン、バイオリン奏者のベルディアーレスではじまり、サエタ(ペペ・デ・カンピージョスが巧い)、グアヒーラ、ファンダンゴ、そして舞踊でソレア(パルマス最悪。踊りもうーん)。最後は全員そろってのフィン・デ・フィエスタ。
88年に来日公演を行った歌い手、故ラファエル・ロメーロの妹、エウラリア“ラ・ガジーナ”
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パンツをみせて笑いをとるペパ・バルガス“ラ・テンブレカ”
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らのあと、最後に真打ち、カレーテ登場。タンゴ・デル・ピジャージョ(タンゴ・デ・マラガ)のはずが、なぜかガロティンを歌われていましたが、いやー、この人は何度みてもいい。
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最後は全員で総踊り。。。こうして37日間にわたる、メガ・フェスティバルは幕をとじたのでした。。。
おつかれさまでした。

Memoriales

Málaga en Flamenco 07 son de Málaga
30 de septiembre, 20:00 Teatro Cervantes Málaga
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by kiokos | 2007-10-02 02:30 | 公演評  

9月29日イスラエル・ガルバン「エル・フィナル・デ・エステ・エスタド・デ・コサス」

アルカンヘルやモネータなどの素晴らしい公演を楽しませてくれ、この一ヶ月で愛着がわいた、ミハスのラス・ラグーナス劇場での公演もこれが最後。
イスラエル・ガルバン、注目の新作とあって、いつもがらがらだったプレス用のバスにもかなりの人が乗り込む。会場でもこのフェスティバルでめったにみかけなかった日本人アフィシオナードの顔をかなりみかけた。アルカンヘルのときのように満員とまではいかないまでも8分の入り。ジェルバブエナやベレン・マジャ、ホセ・ルイス・ロドリゲスなどアルティスタの顔もたくさん。彼の注目度のほどが知れようということだ。

なにから話したらいいのだろう。
かつてないほどオレ!を連発。
じっとしていられないほどに私を興奮させ、そしてうちのめしたこの公演のことを。

テーマはアポカリシス。黙示録である。
世界の終末。こどもの頃から聖書を身近にして育ってきた彼の終末。それははじまり、でもあるのかもしれない。

プレファシオ、前書きと題した場面ではじまる。
サックスと太鼓のデュオとともに登場したイスラエルはバレエシューズで踊る。
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コンパス。絶妙な間合いで決まる、その姿の、動きの美しさ。
いつもにまして速い動きがとまった瞬間のここちよさ。オレ!を叫ばずにはいられない。感覚の良さが、こちらにもなんともいえない幸福感をもたらすのだ

続いてビデオ。イスラエルのクルシージョの生徒の一人だという、レバノン人、ジャルダ・ジョウネスによるバイレは、イスラエルの振付けを、イスラエル国がレバノンにしかかた空爆の音をバックに踊ったもの。空爆で亡くなった友を悼んだ曲だという。彼女からの手紙の言葉がビデオに重なる。
たしかにそこにあるのはイスラエルの振りなのであるが、彼女の心からでてきた、彼女自身を表現する、彼女自身の振りとして昇華されているのがすばらしい。表面的に振り付けをとるのではなく、自分のものとする。それは可能なことなのだ。
それにしても、である。空爆の音とイスラエルの振りの合致は恐ろしいほどだ。

さて本編。プリンシピオはじまり(A)と題された場面。
アルフレド・ラゴスの美しいギターが響き、ディエゴ・カラスコがクリスマスなしのビジャンシーコ(スペインのクリスマスソング)を次々に歌い、それをイスラエルが踊る。そのフラメンコ性。
曲がサルベ・ロシエーラにかわると、ロシオ巡礼につきもののタンボルとよばれる太鼓をもったイスラエルが登場。
バックがフラメンコのグループから現代音楽の小合唱団に変わる。声明をおもわせるような彼らのボーカルで踊り続けるイスラエル。
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聖週間の行列にみられる、覆面姿で演奏するセビージャのハードロックグループ、オーソドックスの演奏でテレモートが歌うトナー、そしてサエタ。
ハードロックで踊るイスラエル。踊り続ける。
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一部の最後にはベルディアーレスを演奏するグループも登場。フラメンコのグループとかけあいでベルディアーレスを歌ったいたのだが、最後はタランテラへ。イタリアの舞曲であるこの曲は毒蜘蛛にさされた毒を抜くまで踊り続けたことにはじまったともいわれるのだが、音楽が続く限り踊り続け、終幕、バイオリン奏者の腕をとって音楽を止めようとするイスラエルに、赤い靴の伝説が重なってみえるようだ。


休憩をはさんでの二部はイスラエルのブトウ、舞踏にはじまる。マスクをつけた彼が上半身裸で踊る。この夏、大野一雄の弟子をよんで研鑽をつんだだけあって、すごくいい。
シギリージャがはじまる。
ゆれる台の上で彼が踊るとおいてあった金属製のコップやカホン、塔のように積まれたCDなどが倒れる。地震、とプログラムには記載されてあるが、塔の崩壊は9月11日を思い起こさせる。終末の到来?断末魔の叫び?
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純白の衣装のディエゴ・カラスコが語り、歌う。白い悪魔。
「山と海のあいだには空虚がある…」
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棺桶をかついだ詩人、ダビ・ピエルフォルがやってくる。彼が入り込んだ棺の上で踊るイスラエル。
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やがてイスラエルも棺の中に入り込みそこで踊りはじめ、もうひとつの棺でフアン・ホセやテレモート、ボボーテがリズムをとる。
棺の中での、断末魔のような、イスラエルのソロ。その表情。こんなにすごい踊りを今までにみたことがあったろうか。。。
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イスラエル・ガルバンの天才をあらためて強く感じさせるそんな公演。
途中から写真をとるのも忘れて、ただひたすら見入ってしまった。
また観たい。何度でもみたい。そんな気にさせる数少ない作品/アルティスタだ。

El final de este estado de cosas
Israel Galván
guitarra;Alfredo Lagos
cante; Diego Carrasco, Fernando Terremoto, Juan José Amador,
baile, palmas y compás; Bobote
percusicíon; José Carrasco
poeta; David Pielfort
Orthodox, Panda de verdiales, Proyectole, Proyecto Lorca

;álaga en Flamenco 07 siete nuevas producciones
29 de septiembre, 21:00 Teatro Las Lagunas, Mijas
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by kiokos | 2007-09-30 22:09 | 公演評  

9月28日「トリホ・エル・バリエンテ」

フエンヒローラのパラシオ・デ・ラ・パスでの唯一の公演。
昔の講堂や体育館みたいな感じ。だだっぴろいところに舞台。椅子はプラスチック。
が、ここでの公演は1回だけだったせいだろうか、お客さんはわりと入ってましたな。

トリホスとはホセ・マリア・トリホス(1791−1831)という、スペイン立憲革命
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E7%AB%8B%E6%86%B2%E9%9D%A9%E5%91%BD)
の立役者の一人である自由主義者。マドリ生まれだが、処刑されたのがマラガということもあり、今回の公演となった。
音楽監督をつとめたガスパール・ロドリゲスはヌエボ・バレエ・エスパニョールなどで活躍するご当地フエンヒローラ出身のギタリスト。
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共和国時代のスペイン国家でもあったリエゴ讃歌のアレンジにはじまったこの公演、残念なことに照明はひたすら暗く、また、地元アルティスタがほとんどの出演アルティスタのレベルも一部をのぞき決して高いとはいえず、どーなんでしょーねー状態。
とくにタンゴを踊ったYedraには絶句。この人マラガで教室やってるときいて無言。
セビージャのビエナルやヘレスのフェスティバルでみているフラメンコは質の高いフラメンコだったなんだなあ、といまさらながらに確認したことでした。

Torrijos er Variente
Guitarra; Gaspar Rodríguez, Niño Javi
Cante; Andrés Lozano, Pepe Guzmán
cante y coros; La Divi, Miguel Astorga
baile; La yedra, Jesús Nieto
violinchelo; Nicasio Moreno
percusión; Tete Peña

Málaga en Flamenco 07 Son de Málaga
28 de septiembre, 20:00 Palacio de la Paz, fuengirola
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by kiokos | 2007-09-29 17:06 | 公演評  

9月28日「デ・ラ・アンダルーサ・モラガ」

20時からのフエンヒローラでの公演後、急いでかけつけたマルベージャ。
22時からはマラガとキューバのアルテとアルティスタが交流する舞台のはじまり。

マラガ・エン・フラメンコではもうおなじみ、パンダ・デ・ベルディアーレス(歌と楽器、踊りなどが入ったベルディアーレスのグループのことをパンダといいます)と、キューバのレペンティスタのグループのかけあいが幕開け。
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レペンティスタというのは即興で詩をつくり、歌う、いわば吟遊詩人的存在。これをキューバ伝統のトレスやギロなどの楽器で伴奏していくもの。一見、なんの共通点もなさそうなのだが、いや、これがなかなかあうのだ。面白い。
地元マラガ出身の若手カンタオーラ、ビルヒニア・ガメスのグラナイーナスとタンゴをはさんで
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セビージャのベテラン舞踊家、ミラグロス・メンヒバルが登場。白いバタ・デ・コーラでアバニコをつかって踊るのは、キューバ由来のフラメンコ曲グアヒーラ。
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いつもにましてより優雅に、品格をもって踊った。やわらなか曲線を描いていく、そのうつくしい腕の動きに酔わされる。
一部の最後はレペンティスタ。観客から集めた言葉を並べて詩にして歌っていく、その神業のようなアルテに会場はわきにわいた。

二部はベルディアーレスではじまり、ビルヒニアのアバンドラオとブレリア、そしてミラグロスのアレグリアス。これも絶品。
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出演者全員が舞台に集合してのフィナーレではベルディアーレスの踊り手とミラグロスが踊ったり,キューバのリズムでベルディアーレスのメンバーがステップをふんだり。
いやー最後は観客総立ち。楽しい楽しいコンサートでした。
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なお、この公演で歌われた歌詞はすべて、マラガの詩人、サルバドール・ルエダによるものでした。

De la Andaluza moraga
Baile; Milagros Menjibar (cante; Manolo Sevilla, Emilio Cabello, guitarra;Rafael Rodríguez)
Cante; Viriginia Gámez(guitarra;Curro de Maríaほか)
Repentista; Alexis Díaz

Málaga en Flamenco 07
28 de septiembre, 23:00 Teatro Ciudad de Marbella, Marbella∑
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by kiokos | 2007-09-29 17:06 | 公演評  

9月27日「フラメンコ・パラ・ラ・トラビアータ」

セビージャで劇団ラ・クアドラを主宰するサルバドール・タボラ。
もともと歌い手としてパコ・タラントらとのグループで録音もあるそうで、30年以上の昔から、フラメンコをその作品にいかしている。初演ではフアナ・アマジャとミステーラが出演した「カルメン」(これは日本公演もありました)をはじめ、「ドン・フアン」など、ビエナルやヘレスのフェスティバルで上演されているものも多いので、観たことがある人も多いだろう。

その新作は「ラ・トラビアータ」、ご存知「椿姫」である。
椿姫役をタボラの孫娘マリア・タボラが踊り、アルフレド役はミステーラがつとめる。
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いかにもタボラらしく、火花を散らす機械がでてきたり、白馬がでてきたり、
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とおおがかりなところもあるが、全体としては、いつもよりも洗練された美しい作品に仕上がっている感がある。しばらく表舞台からご無沙汰してたミステーラの、以前と変わらぬきりっとしたフラメンコ舞踊や、マリアのモデル並みの容姿(鼻ピアスはご愛嬌)にその理由を求めることができよう。クラシック・バレエのダンサーが登場したり、もするし、ね。
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音楽面では、その場面場面を象徴するファンダンゴでつないでいくのだが、歌としてはいまいち食い足りなく残念。
なおこの作品、11月以降、セビージャのサルバドール・タボラ劇場とカルメンとの日替わりでロングランの予定だというので、ご興味あるひとはどうぞ。

Flamenco para la Traviata
baile; El Mistela, María Tavora
cante; Ana real, José Angel Carmona
guitarras; Manuel Berraquero, Miguel Aragón
percusión; Javier Prieto

Málaga en Flamenco 07
27 de septiembre 23:00 Teatro Canovas Málaga
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by kiokos | 2007-09-28 16:58 | 公演評  

9月27日「シエテ・マレス」

8時から、マラガ高等音楽院内にあるコンサートホール、サラ・ファジャでのコンサートは、マラガ県立オーケストラとフラメンコ・アーティストの共演。

第一部はアントニア・コントレーラ。ご当地マラガの歌い手で、フランスのオーケストラと録音したばかりだという「恋は魔術師」(1915年のオリジナルバージョン)をマラガのオケで歌ったわけだが、うーん、どーなんでしょー。
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このオリジナルバージョンは、歌だけでなく、語りがあるのだが、口跡がわるく、言葉がきちんとききとれないというのは致命傷。歌のほうも、ガデス主演の映画「恋は魔術師」でのロシオ・フラード風なのだが、いかんせん…。
このバージョン、ほかの人できいてみたいものであります。

第二部はマラガ在住のギタリスト、アントニオ・ソトのフラメンコ曲をベースにした交響楽団のための組曲「シエテ・マレス」。これがまたなんとも…。
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全体的にはビセンテ・アミーゴの「ポエタ」をイメージしたようで、曲のすすみかたや構成のあちこちに影響が見受けられる。とくにタランタやサパテアードの入ったアレグリアスは顕著。だが、こちらもいかんせん…なのです。フラメンコ・パーカッションもはずすはずす。カンテも音程をはずす。パルマスも同様。ま、オーケストラもアマチュアのようで、決してうまいとはいえないのですがね。

というわけで、残念ながら…な2時間でございました。

Siete Mares
primera parte
cante; Antonia Contreras
segunda parte
guitarra; Antonio Soto
Orquesta Sinfónica Provincial de Málaga

Málaga en Flamenco 07 Siete Caracolas
27 de septiembre 20:00 Sala Falla
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by kiokos | 2007-09-28 16:42 | 公演評  

9月25日「カディス」

セルバンテス劇場での公演はこの9月に地元で初演されたばかりの「カディス」
アンダルシア州文化局の制作の大作である。
もともとは1933年にラ・アルヘンティニータによって初演された「カディスの通り」の再現をめざしたものだっただったように記憶してるのだが、結局、それに想をえて、カディスらしいフラメンコ作品を、ということで制作されたようだ。

舞踊のメイン、かつ振付けはエル・フンコ。ゲストでマリア・ホセ・フランコ、ロサリオ・トレド、アナ・サラサール。歌はマリアナ・コルネホ、カルメン・デ・ラ・ハラ、エミリオ・フロリド、ミゲル・ロセンドとダビ・パロマール。ギターにケコとリカルド・リベラ。これに群舞と、合間合間に寸劇をみせる二人の俳優(実はカディスのカルナバルのグループのメンバー)という総勢21人。装置も、照明も、衣装もきれいだ。

が、肝心の内容は、というと不満が残る。前日にあまりにも質の高い舞踊をみたせいもあるかもしれないが、群舞のレベルの低さはもちろん、フンコやロサリオにしてもいつもの調子がでていないようにみうけられ残念。そのわりに踊りがしめる割合が多く、群舞のメンバーまでソロをえんえんと踊るのには正直辟易。
それにカディスらしさをかんじさせてくれる歌もマリアナのアレグリアスくらいで、どーも底が浅い。
チャノ・ロバートやランカピーノ、フアン・ビジャールやパンセキートがいたらなあ、と思ったのは私だけだろうか。
盛り上がったのは一部の最後のタンギージョ(これも振付けに昔ながらのタンギージョをフューチャーするとかするともっと面白くなったろう)。
そして俳優二人の寸劇!
ペリコンやベニなど、カディス出身のアルティスタたちの挿話に材をとってのものだが、これがうまいし、カディスの雰囲気をよくだしているのだ。
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16世紀にカディスにフラメンコの楽譜がたどりついたというペリコンの珍説や潜水艦をつりあげた話など、爆笑まちがいない。

港に船がつき着飾ったアーティストがおりてくるオープニングははなやかだが
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そのあとがテンポがつづかない。唯一、前述のタンギージョや
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フィナーレのカディスのブレリア、でもりあがるだけ、というのも残念。
(お盆を頭にのせて踊るロサリオは最高!だったけど)
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フラメンコはむずかしい。。。ですね。

Cádiz
baile; El Junco, Rosario Toledo, Ana Salazar, Maria José Francoほか

25 de septiembre, Teatro Cervantes, Málaga
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by kiokos | 2007-09-26 21:23 | 公演評  

9月24日「フラメンコ XXI オペラ・カフェ・イ・プーロ」

ミハスのラ・ラグーナ劇場での公演。
ウエルバ生まれのラファエル・エステベスとコルドバ生まれのナニ・パーニョス。
マドリに住み、メルチェ・エスメラルダやクリストバル・レジェス、マノレーテらの舞踊団で活躍し、自らのグループでも公演をしているこの二人。今年3月、ヘレス・フェスティバルでも、エスクエラ・ボレーラからネオ・クラシコ、フラメンコまで網羅した「ムニェカス」という、今年のフェスティバルの最高作をみせてくれた彼らがまた、すごいことをしてくれた!

この素晴らしすぎる作品について、いったいなにから話しはじめたらいいのだろう。
ダンサーたちのレベルの高さ? 
振付けのクオリティ?
SP録音を多重構成するなど、こりにこった音楽?
古い振付けをただそのまま再現させてみせるのではなく、現代の空気をとりいれ、リノベートしていく、そのセンスの良さと意味?
フラメンコとそれを囲むスペイン舞踊の多様性と魅力?

どれについても話しはじめたら終わりそうにない。

結論からいおう。
ひとくちにいえば、フラメンコの歴史を目でみせて体感させてくれる作品である。
音楽はすべて録音。アントニオ・マイレーナ、フアン・タレガのトナーに、マイレーナやパストーラ、チャコン、トマス・パボン、マルチェーナの声がコーラスでかぶさるというオープニングをはじめ、かなりこったつくり。
続くシーンでは、とりどりの衣装の女性たちがピアノで踊る。
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ガロティン、ファルーカ、グアヒーラス、タンゴス…どれもカフェ・カンタンテ時代のレパートリーだ。
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短いエスクエラ・ボレーラをはさみ、
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古風な踊り手たちも現代風のリズムで踊る。
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続くシーンでは、映画ブームをイメージしたホリゾントをバックに3人の男性がぺぺ・マルチェーナがうたうグアヒーラを踊る。これがまたすばらしかったのだ。まずは写真をみてください。
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踊っているのは、左からダビ・コリア、ナニ・パーニョス、クリスティアン・ロサーノ。ダビとクリスティアンは国立バレエ団出身で、とくにクリスティアンは「フエンテオベフーナ」などで主役をつとめていた実力派だ。
彼らの姿の美しいことといったらない。
指の先からつまさきまで細やかな神経がいきとどいている。足をあげたときのつまさきの位置ひとつで踊りは決まるのだ。
グラン・アントニオやピラール・ロペスなどの大舞踊団時代を思い起こさせる、古風な振付けがベースだが、ここでも新しい感覚があちこちに顔をだすのがうれしい。
単なるコピーにおわっておらず、新しい命を与えているのだ。

ラファエルのソロはカーニャ。ラモン・モントージャのギターを踊る。
そのモントージャがサックスと共演したミロンガはアルゼンチンタンゴの雰囲気で踊られる。
そしてタンギージョ!
ラ・アルヘンティーナの、古いフィルムのタンギージョを復刻させた。無伴奏で、カスタネットだけが響くのは、映画が無性映画だったせいだろう。
暗闇で二人羽織風に踊るサンサーンスの白鳥の次はセギリージャ。
グラン・アントニオとロサリオの踊ったこの曲をみごとに再現する。
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アントニオを実際にみたことがある人は少ないだろうが、映画やビデオ、または写真などで目にする機会は今もある。それを見た人ならうなること間違いなし、だ。
ポーズのひとつひとつが、写真集からぬきでたかのようだ。

と、ここまでが第一部。
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by kiokos | 2007-09-25 19:13 | 公演評  

9月23日「エレス・デ・ラ・マル・エストレージャ」

マラガ市立セルバンテス劇場での公演は、エステポナのギタリスト、パコ・ハビエル・ヒメノが監督をつとめる作品「エレス・デ・ラ・マル・エストレージャ」。
ベルディアーレスの歌詞からとったタイトルのもと、マラガの詩人たちの作品をマラガのアルティスタたちが演じるという意欲作。

サンブラからグラナイーナ、ファンダンゴ・デ・ウエルバ、ソレア、ペテネーラ、アレグリアス・デ・コルドバ、マラゲーニャ、マルティネーテ、シギリージャ、ブレリア・ポル・ソレア、ルンバ、カンテ・デ・レバンテ、アレグリアス、バンベーラ、タンゴ。と、フラメンコの広いレパートリーを網羅し、歌や踊りも入り、流れるようにすすんだ作品。11人の出演者で、これだけスムーズにすすめるには、さぞかし構想をねって、稽古をつんだにちがいない力作。
ギタリストはパコ一人。彼に加えて、ウッドベース、バイオリン、パーカッションが音楽をささえる。歌い手はマドリ在住のベテラン、カンカニージャ・デ・マルベージャ(貫禄のシギリージャがまる)、エバ・ドゥラン(今週3回目の登場)に、地元在住、ヒタニージョ・デ・ベレス(フラメンコらしい深みのある、いい声をしている)、アナ・ファルガス(声はでているのだが音程が。。。)の4人。そして踊り手3人。が、これがまた、マラガのほかの踊り手たちの例にもれず。。。でありました。

記者会見で
「マラガ・エン・フラメンコはマラガのアルティスタたちを変えていく」と断言していたパコ。この経験が今後のマラガのフラメンコの展開にプラスになりますように。
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(前日の記者会見で.右端オルティス・ヌエボ監督。ひときわ大きいのがパコ・ハビエル・ヒメノ、その横の中年女性は歌詞の作者の一人。ほかはぜーんぶアルティスタ)

Eres de la Mar Estrella
Guitarra; Paco Javier JImeno
cante; Ana Fargas, Cancanilla de Marbella, Eva Durán, Gitanillo de Vélez
baile; Antonio Perujo, Antonio de Verónica, Luisa Chicano
violín; Lorenzo Triviño
contrabajo; Juan Carlos Baca

Málaga en Flamenco 07 Son de Málaga
23 de septiembre 20:00 Teatro Cervantes, Málaga
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by kiokos | 2007-09-24 16:06 | 公演評  

9月22日パコ・デ・ルシア

今年のマラガ・エン・フラメンコはパコ・デ・ルシアへのオマージュとして、トマティートや、ホルヘ・パルドとチャノ・ドミンゲス、マノロ・サンルーカル、セラニートなどのコンサートが行われた。そしてご本尊、パコ・デ・ルシア大明神もようやく登場。
会場はマラガ闘牛場。2年前、最初のマラガ・エン・フラメンコでも彼のコンサートが行われたところだ。

会場は約5千人の観客で埋まった。なかには、セラニートやフォスフォリートなどアルティスタの顔もみえる。

舞台に登場するなり、弾きはじめる。(舞台の上で調弦するギタリストも多いのだが)
いつものようにソロはロンデーニャ。
あの心につきささるような鋭い音が響く。
音が粒だって、こちらの細胞にしみこんでいくようだ。
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共演は第二ギターにニーニョ・ホセーレ、ベースにアライン・ペレス、パーカッションにピラーニャ、フルートとキーボードにドミンゴ・パトリシオ、コーラスにモンセ・コルテス、チョンチ・エレディア、ラ・タナというグループ。
アレグリアス、ブレリアス…
いつものレパートリー、いつも通りの緊張感あふれ、すごみのある演奏を堪能させてくれた。
この“いつも”ということがいかに難しいことか。
それを何十年も続けてきたパコ。今もその音のすごみにおとろえはない。

休憩をはさんだ二部の最初にはベルディアーレスのグループが登場。
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その演奏にのって踊ったロシオ・モリーナがわたした記念の像を、マラガ県知事、ペンドンがパコにおくる。
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ブレリア、ルンバ/タンゴ、そしてシルヤブ。
5千人をエキサイトさせたコンサート。
その偉大さを改めて感じさせてくれたのはいうまでもない。

情熱も厳しさも失わず、円熟し、格調と重厚さを加えたパコ。
聴き逃しては一生の損だ。
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(リハーサル中のショット)

Paco de Lucía
segunda guitarra; Niño Josele
bajo; Alain Pérez
flauta y teclado; Domingo Patricio
percusión; Piraña
coros; Montse Cortés, Chonchi Heredía, La Tana

Málaga en Flamenco 07 Su homenaje
22 de septiembre, 22:00 Plaza de Toros, M´laga
[PR]

by kiokos | 2007-09-23 21:14 | 公演評