9月23日「エレス・デ・ラ・マル・エストレージャ」

マラガ市立セルバンテス劇場での公演は、エステポナのギタリスト、パコ・ハビエル・ヒメノが監督をつとめる作品「エレス・デ・ラ・マル・エストレージャ」。
ベルディアーレスの歌詞からとったタイトルのもと、マラガの詩人たちの作品をマラガのアルティスタたちが演じるという意欲作。

サンブラからグラナイーナ、ファンダンゴ・デ・ウエルバ、ソレア、ペテネーラ、アレグリアス・デ・コルドバ、マラゲーニャ、マルティネーテ、シギリージャ、ブレリア・ポル・ソレア、ルンバ、カンテ・デ・レバンテ、アレグリアス、バンベーラ、タンゴ。と、フラメンコの広いレパートリーを網羅し、歌や踊りも入り、流れるようにすすんだ作品。11人の出演者で、これだけスムーズにすすめるには、さぞかし構想をねって、稽古をつんだにちがいない力作。
ギタリストはパコ一人。彼に加えて、ウッドベース、バイオリン、パーカッションが音楽をささえる。歌い手はマドリ在住のベテラン、カンカニージャ・デ・マルベージャ(貫禄のシギリージャがまる)、エバ・ドゥラン(今週3回目の登場)に、地元在住、ヒタニージョ・デ・ベレス(フラメンコらしい深みのある、いい声をしている)、アナ・ファルガス(声はでているのだが音程が。。。)の4人。そして踊り手3人。が、これがまた、マラガのほかの踊り手たちの例にもれず。。。でありました。

記者会見で
「マラガ・エン・フラメンコはマラガのアルティスタたちを変えていく」と断言していたパコ。この経験が今後のマラガのフラメンコの展開にプラスになりますように。
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(前日の記者会見で.右端オルティス・ヌエボ監督。ひときわ大きいのがパコ・ハビエル・ヒメノ、その横の中年女性は歌詞の作者の一人。ほかはぜーんぶアルティスタ)

Eres de la Mar Estrella
Guitarra; Paco Javier JImeno
cante; Ana Fargas, Cancanilla de Marbella, Eva Durán, Gitanillo de Vélez
baile; Antonio Perujo, Antonio de Verónica, Luisa Chicano
violín; Lorenzo Triviño
contrabajo; Juan Carlos Baca

Málaga en Flamenco 07 Son de Málaga
23 de septiembre 20:00 Teatro Cervantes, Málaga
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# by kiokos | 2007-09-24 16:06 | 公演評  

9月22日パコ・デ・ルシア

今年のマラガ・エン・フラメンコはパコ・デ・ルシアへのオマージュとして、トマティートや、ホルヘ・パルドとチャノ・ドミンゲス、マノロ・サンルーカル、セラニートなどのコンサートが行われた。そしてご本尊、パコ・デ・ルシア大明神もようやく登場。
会場はマラガ闘牛場。2年前、最初のマラガ・エン・フラメンコでも彼のコンサートが行われたところだ。

会場は約5千人の観客で埋まった。なかには、セラニートやフォスフォリートなどアルティスタの顔もみえる。

舞台に登場するなり、弾きはじめる。(舞台の上で調弦するギタリストも多いのだが)
いつものようにソロはロンデーニャ。
あの心につきささるような鋭い音が響く。
音が粒だって、こちらの細胞にしみこんでいくようだ。
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共演は第二ギターにニーニョ・ホセーレ、ベースにアライン・ペレス、パーカッションにピラーニャ、フルートとキーボードにドミンゴ・パトリシオ、コーラスにモンセ・コルテス、チョンチ・エレディア、ラ・タナというグループ。
アレグリアス、ブレリアス…
いつものレパートリー、いつも通りの緊張感あふれ、すごみのある演奏を堪能させてくれた。
この“いつも”ということがいかに難しいことか。
それを何十年も続けてきたパコ。今もその音のすごみにおとろえはない。

休憩をはさんだ二部の最初にはベルディアーレスのグループが登場。
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その演奏にのって踊ったロシオ・モリーナがわたした記念の像を、マラガ県知事、ペンドンがパコにおくる。
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ブレリア、ルンバ/タンゴ、そしてシルヤブ。
5千人をエキサイトさせたコンサート。
その偉大さを改めて感じさせてくれたのはいうまでもない。

情熱も厳しさも失わず、円熟し、格調と重厚さを加えたパコ。
聴き逃しては一生の損だ。
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(リハーサル中のショット)

Paco de Lucía
segunda guitarra; Niño Josele
bajo; Alain Pérez
flauta y teclado; Domingo Patricio
percusión; Piraña
coros; Montse Cortés, Chonchi Heredía, La Tana

Málaga en Flamenco 07 Su homenaje
22 de septiembre, 22:00 Plaza de Toros, M´laga
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# by kiokos | 2007-09-23 21:14 | 公演評  

9月21日「エル・ヒターノ・エスキソフレニコ」

ミハスのラ・ラグーナ劇場での公演は、待ちに待った「エル・ヒターノ・エスキソフレニコ」(精神分裂病のヒターノ)。
モロン・デ・ラ・フロンテーラ出身で、ディエゴ・デル・ガストールらモロンのギターについての著書があり、パケーラ・デ・ヘレスの日本公演のドキュメント映画を製作、監督したフェルナンド・ゴンサレス・カバージョが、サンルーカルの詩人でイラストレーター、パフォーマーでもある、ダビ・ピエルフォルの詩集をもとに書き下ろした脚本による、テアトロ・フラメンコ(演劇的要素のあるフラメンコ)である。

出演は少数精鋭。バイレにハビエル・バロン、カンテにホセ・バレンシア、ギターにダ
ニエル・メンデス、そして詩人ダビ・ピエルフォルがドゥエンデ役で、またヘレスの詩人でカンタオール、ラジオの人気番組にも出演中のルイス・デ・パコーテがフラメンコ研究家役で出演と、舞台の上には5人。その誰もが主役という作品だ。
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アパートの隣同士に住む、フラメンコのアルティスタと研究家。その間をいったりきたりするドゥエンデとの間の会話は、フラメンコの現実を、ウィットとユーモア、風刺で描写。会場は爆笑の渦につつまれた。
ドゥエンデ「フラメンコについて書く奴らは挫折した歌い手」
踊り手(歌い手とギタリストに)「おまえらは金もらうことばっかしか考えてない」
エトセトラエトセトラ…
ヒタノステーション!でのゲーム、コンバテ・フラメンコ(フラメンコ合戦)なんていうものも登場する。トリアーナ、サンティアゴ街などのステージを選んでブレリアを踊って勝負、というもの。会場は大爆笑。いやー誰か本当につくんないですかね、これ。

が、スペイン語がわからなければ楽しめないか、といえばそうではない。
バロンのブレリア、ソレアは特筆ものの素晴らしさだし、
ホセ・バレンシアのカンテソロできかせたマラゲーニャやトナーもなかなかのもの。
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ダニ・メンデスのギターソロも美しくフラメンコらしさにあふれている。
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とくにハビエル・バロン!!!
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まったくをもって素晴らしい!のひとこと。これぞフラメンコ!、だ。
ここ数日というもの、基礎もろくにできていない踊り手ばっかりみていたせいもあって、その姿の美しさ、コンパスの中で泳ぐように踊るその心地よさに酔わせてもらった。写真をとりながら、何度、オレ!と叫んだことか。
そのうつくしいかたちは、たゆまぬ努力に裏打ちされたものだ。
フラメンコはかんたんなものではない。しっかり基礎を学び、表現するための技術を身につけ、その上で、その人のなかに、表現するべきもの、表現したい、観客とコミュニケートしたい、共有したい、と思う“なにものか”があってこそ、ほんものの、人を感動させるフラメンコというものがでてくるものなのだ。そして大切なのは、フラメンコに対する愛と敬意。それがなくしてなんのフラメンコだ。
風刺と笑いにみちた作品だが、そのベースにはフラメンコに対する愛と敬意があふれている。それでこそ、客席をうめた観客を楽しませ、“いいフラメンコをみた、感じた”と、満足した気持ちで家路につくことができるのだ。

El Gitano Ezquizofrénico
Baile; Javier Brón
Cante; José Valencia
Guitarra; Daniel Mendéz
Escritor ; Luis de Pacote
Duende ; David Pielfort

Málaga en Flamenco 07 Siete Producciones nuevas
21 de septiembre, 23:00 Teatro Las Lagunas, Mijas
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# by kiokos | 2007-09-23 00:11 | 公演評  

9月20日セラニート「コン・ソレーラ」

カノバ劇場でのギターコンサート。
セラニートといえば、パコ・デ・ルシア、マノロ・サンルーカルと並び称されたギタリスト。
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そのコンサートは横笛やサックスをあやつるハビエル・パサリーニョをゲストに、カンテやバイレ、ピアノも入った8人編成でたっぷりきかせてくれた。
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タランタにはじまり、タンゴス、ソレア、踊り(アンヘル・ムニョス)の入ったサパテアードなど盛りだくさん。
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先日のモネータの公演でも熱唱していた、カンテのエバ・ドゥランが、厚みのあるいい歌をきかせてくれて満足。
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しかし一曲一曲が長い(20分以上の曲も)のにはちょっと閉口。
パーカッションも…

Con Solera
Guitarra; Victor Monge "Serranito"
Artista Invitada; Javier Paxariño
baile; Angel Muñoz
cante; Eva Durán
piano; Moisés Sánchez

Málaga en Flamenco 07 su homenaje
20 de sptiembre 21:00 Teatro Canovas, Málaga
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# by kiokos | 2007-09-21 21:02 | 公演評  

9月19日「シエテ・ムンドス」

マルベージャの劇場での若者公演。7つの世界、というタイトルだが、実際には7場面、9人がメイン。

まずはマヌエル・デ・ラ・ルスのギターソロでファンダンゴ・デ・ウエルバ。そつなくきかせる。
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続いて登場はエンリケ・モレンテ・イーホ。その名の通りエンリケ・モレンテの末っ子、エストレージャ・モレンテの弟である。まずはグラナイーナ。うーん、どうなんだろう。
お父さん譲りの歌いっぷりではあるが、まだ舞台で一本立ちには早いのではないだろうか。伴奏のフアン・カルモナ・ニエトがめちゃくちゃ良い。おそらくグラナダで、身内のフィエスタなどで十分に経験をつんできたのだろう。落ち着いてカンテを支え、勘所にしっかりファルセータをいれるなど余裕たっぷり。
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二人ともまだ十代。将来が楽しみだ。
再びマヌエル・デ・ラ・ルスのギターソロをはさんで今度は女性カンタオーラ。ナサレ・カラが登場。ソレアとカンティーニャス。下手なわけではない。でも伝わってくるものがない。歌っているというだけ。こういうのってなんなんでしょうね。
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バイレ。モイセスとファティマのナバッロ兄妹。マラガのファルーコ、なんていう人がいたもんだから、ちょっぴり期待していたのだが、うーん。困った。
なんかマラガの踊り手の悪口ばっかいってるみたいだけど、真実だから仕方ない。この二人も、フラメンコな気持ちはたっぷりあるんだけど、フラメンコ舞踊を通してそれを表現するだけの、技術的な基礎が不足している。コンパスは外すわ、回転も姿勢もなってないわ…。バックも同様。ゲスト格のグアディアナはさすがのうたいっぷりだが、彼がとまどうほど、パルマスもカホンもはずしっぱなし。ギターはだいじょぶだったけどね。うーん。なんなんだろう。海岸沿いは観光客相手の仕事が多いからそういうところで簡単に拍手をもらってしまった結果なんだろうか。。。
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休憩をはさんで再びギターソロ。今度は、マノロ・サンルーカルの第2ギターをつとめているダビ・カルモナ。たしかグラナダの出身。ソレアとタランタよろしゅうございました。というか、若手でもみなうまいね〜。ただそこから先、が難しい。リケーニやヘラルド、ビセンテ、カニサーレスみたいなプラスαがでてくるのはいつだろう。
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お次はカンテ。マラガ県エル・ブルゴ出身の弱冠二十歳リオス・カブリジャーナはマラゲーニャを、ヒメノの伴奏で上手に歌い、
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ルビート・デ・パラーダがアントニオ・カリオンの伴奏でシギリージャを歌い(う〜ん)
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最後は二人でファンダンゴの共演。
トリをとったのはコルドバの踊り手、エンカルナ・ロペス。この人は姿勢や身体のつかいかたなどの基礎がしっかりできているので安心してみることができる。ソロで舞台で踊るにはやはりある程度のレベルが必要。経験の有無以前の問題だ。
マリアーナを踊るというのもめずらしい。コルドバの画家、フリオ・ロメーロ・トーレスの絵のポーズで決めるともセンスがいい。
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フィナーレは全員でアレグリアス。こうして3時間にもわたる公演は終わったのでした(ぜいぜい)

Siete Mundos
Guitarra; David Carmona,Manuel de la Luz
Cante; Enrique Morente hijo, Rios Cabrillana, Rubito de Paradas
Baile; Encarna López, Moisés y Fátima Navarro

Málaga en Flamenco 07 Sólo Apto para menores
19 de septiembre, 21:00 Teatro Ciudad de Marbella, Marbella
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# by kiokos | 2007-09-20 16:55 | 公演評