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9月25日「カディス」

セルバンテス劇場での公演はこの9月に地元で初演されたばかりの「カディス」
アンダルシア州文化局の制作の大作である。
もともとは1933年にラ・アルヘンティニータによって初演された「カディスの通り」の再現をめざしたものだっただったように記憶してるのだが、結局、それに想をえて、カディスらしいフラメンコ作品を、ということで制作されたようだ。

舞踊のメイン、かつ振付けはエル・フンコ。ゲストでマリア・ホセ・フランコ、ロサリオ・トレド、アナ・サラサール。歌はマリアナ・コルネホ、カルメン・デ・ラ・ハラ、エミリオ・フロリド、ミゲル・ロセンドとダビ・パロマール。ギターにケコとリカルド・リベラ。これに群舞と、合間合間に寸劇をみせる二人の俳優(実はカディスのカルナバルのグループのメンバー)という総勢21人。装置も、照明も、衣装もきれいだ。

が、肝心の内容は、というと不満が残る。前日にあまりにも質の高い舞踊をみたせいもあるかもしれないが、群舞のレベルの低さはもちろん、フンコやロサリオにしてもいつもの調子がでていないようにみうけられ残念。そのわりに踊りがしめる割合が多く、群舞のメンバーまでソロをえんえんと踊るのには正直辟易。
それにカディスらしさをかんじさせてくれる歌もマリアナのアレグリアスくらいで、どーも底が浅い。
チャノ・ロバートやランカピーノ、フアン・ビジャールやパンセキートがいたらなあ、と思ったのは私だけだろうか。
盛り上がったのは一部の最後のタンギージョ(これも振付けに昔ながらのタンギージョをフューチャーするとかするともっと面白くなったろう)。
そして俳優二人の寸劇!
ペリコンやベニなど、カディス出身のアルティスタたちの挿話に材をとってのものだが、これがうまいし、カディスの雰囲気をよくだしているのだ。
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16世紀にカディスにフラメンコの楽譜がたどりついたというペリコンの珍説や潜水艦をつりあげた話など、爆笑まちがいない。

港に船がつき着飾ったアーティストがおりてくるオープニングははなやかだが
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そのあとがテンポがつづかない。唯一、前述のタンギージョや
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フィナーレのカディスのブレリア、でもりあがるだけ、というのも残念。
(お盆を頭にのせて踊るロサリオは最高!だったけど)
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フラメンコはむずかしい。。。ですね。

Cádiz
baile; El Junco, Rosario Toledo, Ana Salazar, Maria José Francoほか

25 de septiembre, Teatro Cervantes, Málaga

by kiokos | 2007-09-26 21:23 | 公演評  

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